プロフリークライマーの平山ユージが9月15日、
今年のメーンターゲットとしていた世界最難関クラック
「コブラクラック」(カナダ/スコーミッシュ)の完登を果たしました。
このルートを登ったのは世界で6人目、アジア人で初めての快挙です。
クラックとは亀裂のこと。岩の亀裂にそって登っていくため
ホールドをつかむというよりも、指をねじ込みながらのクライミングの技術が不可欠、
それに耐えうる指皮の強さが必要です。
そのクラックの世界最難関ルートといわれる「コブラ・クラック」は
カナダのスコーミッシュに存在する高さ30メートルの自然岩。
現地の天候・岩質に慣れるため、さらには指の耐久性を高めるために
平山は8月21日に現地入りし、この4週間、挑戦に向けて調整を続けてきました。

指を捻じ込みながらのクライミングのため、すぐに指皮がむけてしまいます。
現地到着後にコブラに対峙するも早々に指皮を痛め、その後はとにかく
指皮の耐久性を高めるためのクライミングを重ねることに専念。
9月上旬からの2週間で本格的な挑戦を予定していました。
しかしながら天候不順のため、なかなか挑戦できず、
結局本格的に挑戦できたのは11日から。
20日帰国予定の平山には時間は限られていました。

指皮の耐久性が高まったとはいえ、久しぶりのハードなクラックは指皮に応え、
挑戦は1日2~3回が限度。「登っている時間より考えている方が圧倒的に長かった」と
これまでにはあまり経験したことのない挑戦に。そんな状況下でも、
限られた試行錯誤から感触をつかみ、クラックをハードに登っていたときの
以前の感覚を取り戻していきます。そして迎えた12回目の挑戦。
ちょっとした攻め方の変化が結果の劇的な変化に。
一番の核心となる部分をつなぐと「そのまま登れると思わなかった」と
本人も信じられないままに完登を果たしました。

翌日を迎えた現地は雨模様。あと1日の挑戦を残していたものの、
15日に登れたことはとても幸運でした。あと1日のクライミングを経て、
平山は20日に帰国いたします。

■平山ユージ
「ルートも変われば攻め方も変わる。攻め方が変われば訪れる成功の瞬間も変わる。
今回は今までにない成功の瞬間を味わえて、本当に意義のあるクライミングが出来たと
思っています。現地や日本からのたくさんの応援のおかげだと思っています。
本当に感謝しています。」